燈 coffeeでは、ご注文をいただいてから豆を焙煎しています。前もってまとめて焙煎しておくほうが手間はかかりませんが、それでもこの方法を選んでいるのには理由があります。

2本目の読みものでは、焙煎したての豆に何が起きているのか、そしてご注文後に焙煎することでお届けできるものについてお話しします。

焙煎したてのコーヒー豆のこと

コーヒー豆は、生のままでは淡い緑色をした硬い種で、香りもほとんどありません。火を入れて焙煎することで、はじめてあの香ばしい香りや、甘み、酸味、苦みが生まれます。

焙煎したての豆の中には、焙煎のときに生まれた炭酸ガスがたくさん閉じこめられています。ドリップでお湯を注いだときに粉がふっくらと膨らむのは、このガスが外に出てくるためです。この膨らみは、豆が新しいことのひとつのしるしでもあります。

時間とともに、香りは移ろう

焙煎された豆は、空気にふれることで少しずつ酸化していきます。時間がたつにつれて香りは弱まり、味わいも平たくなっていきます。粉に挽くと空気にふれる面が一気に増えるため、その変化はさらに早くなります。

一方で、焙煎した直後はガスが多く、味わいがまとまりきらないこともあります。一般的には、焙煎から数日たってガスが落ち着いたころから2週間ほどが、おいしく飲める時期の目安といわれています。

焙煎数日2週間 ガスが落ち着くまで少しずつ香りが弱まる おいしく飲める時期 燈 coffee|お手元に届くころ
焙煎してからの、味わいの移り変わり

ご注文後に焙煎する理由

お店に並ぶ豆の中には、焙煎してから時間がたったものもあります。袋の中で過ごす時間が長いほど、豆が本来持っている香りは少しずつ失われていきます。

燈 coffeeでは、ご注文をいただいてから焙煎し、焙煎の前後には欠点のある豆や異物をひと粒ずつ手で取り除いています。そうして整えた豆を、ご注文確認後3営業日以内に発送しています。

お手元に届くのは、焙煎から間もない豆です。届いてから数日のあいだに、味わいが少しずつ落ち着いていく変化も楽しんでいただけたらうれしいです。

届いた豆を、おいしく保つには

一杯のために

ご注文を受けてから焙煎するのは、少し時間のかかる方法です。けれど、届いた袋を開けたときの香りや、お湯を注いだときにふっくらと膨らむ粉は、その時間があってこそのものだと思っています。

毎日の一杯が、焙煎したての香りとともに、ほっと息をつける小さな余白になりますように。