同じ「コーヒー豆」でも、お店によって値段も味わいもさまざまです。その違いのひとつが、豆の品質を分ける「グレード」です。

最初の読みものでは、コーヒー豆がどのように分けられているのか、そして燈 coffeeがどんな豆を選んでいるのかについてお話しします。

世界のコーヒーは、品質で分けられている

世界で流通しているコーヒーの多くは、「コモディティコーヒー」と呼ばれるものです。国際的な市場の相場で値段が決まり、大量に取引されます。安定して手に入る一方で、産地は国名くらいまでしか分からないことが多く、いろいろな場所の豆が混ざっていることも少なくありません。

その上には、産地や等級がはっきりした、品質の高い豆があります。どの地域で、どのくらいの標高で育ち、どう精製されたのか。そうした情報とともに取引される豆です。

さらにその先には、専門の評価者が味わいを点数で評価し、一定以上の評価を得た「スペシャルティコーヒー」と呼ばれる豆もあります。

スペシャルティプレミアムコモディティローグレード 味わいを評価され、高い点数を得た豆産地や等級がはっきりした豆相場で大量に取引される豆欠点が多い、品質の低い豆
コーヒー豆のグレード(一般的な区分)

産地ごとの「等級」

コーヒーの生産国には、それぞれ独自の等級の決まりがあります。

標高豆の大きさ欠点豆の数 高い土地で育った豆ほど上の等級粒が大きくそろった豆ほど上の等級欠点豆が少ない豆ほど上の等級 例:中米の国々(SHB など)例:コロンビア(スプレモ)、ケニア(AA)例:エチオピア(G1、G2…)、ブラジル 燈 coffee|コスタリカ SHB燈 coffee|エチオピア G2
等級の決め方は、国によってちがう

たとえば中米のコスタリカでは、豆が育った標高で等級が決まります。いちばん上の「SHB」は、標高およそ1,200m以上の高地で育った豆につけられる等級です。寒暖差のある高地では実がゆっくりと熟すため、身が締まった硬い豆になり、香りや酸味が豊かになるといわれています。

エチオピアでは、虫食いや割れなどの欠点豆の少なさで等級が決まります。300gあたりの欠点豆が0〜3個なら「G1」、4〜12個なら「G2」。数字が小さいほど、きれいに選別された豆ということです。

精製方法のこと

コーヒー豆は、もともと「コーヒーチェリー」と呼ばれる赤い実の中にある種です。収穫した実から種を取り出して乾かすまでの工程を「精製」といい、その方法によって味わいが大きく変わります。

代表的なのは、次の3つです。

ナチュラルハニーウォッシュト 実のまま、果肉ごと乾かす果実のような甘い香り果肉を取り、蜜のような層を残して乾かすほどよい甘みとコク果肉も蜜のような層も洗い流して乾かすすっきりとした、きれいな酸味 燈 coffee|コスタリカ燈 coffee|エチオピア
おもな精製方法と、味わいの傾向

実を丸ごと乾かすナチュラルは、果実のような甘い香りが出やすく、果肉や蜜のような層を水で洗い流すウォッシュトは、雑味の少ないすっきりとした味わいになりやすい傾向があります。蜜のような層を残して乾かすハニーは、その中間。ほどよい甘みとコクが生まれます。

燈 coffeeが選んでいる豆

燈 coffeeの定番ブレンド「余白とコーヒー」には、2つの産地の豆を使っています。

コスタリカ タラス地区の標高1,400〜1,700mで育った、カツーラ種とカツアイ種。果肉を取り除き、その下にある蜜のような甘い層を残したまま乾かす「ハニー」という方法で精製された、等級SHBの豆です。

エチオピア イルガチェフェの標高1,900〜2,100mで育った在来種。水で洗う「ウォッシュト」という方法で精製された、等級G2の豆です。水だけを使うマウンテンウォーター製法で、カフェインの約97%を取り除いています。

どちらも、仕入れ先でスペシャルティグレードとして扱われている豆です。相場で大量に取引されるコモディティコーヒーとは違い、どこの土地で、どのくらいの標高で育ち、どう精製されたのかまでわかります。

そのうえで燈 coffeeでは、ご注文をいただいてから焙煎し、欠点のある豆をひと粒ずつ手で取り除いて、できるだけ新鮮なうちにお届けしています。

毎日の一杯だから

上質な豆と聞くと、特別な日に飲む少し贅沢なコーヒーを思い浮かべるかもしれません。けれど私たちは、毎日の何気ない一杯にこそ、どこで育ったのかがわかる、きちんとした豆を選びたいと思っています。

慌ただしい一日のなかで、お湯を沸かし、香りを感じながら、ゆっくりとお湯を注ぐ。その数分間を、ほっと息をつける小さな余白にしてくれるのは、やはり、きちんとおいしいコーヒーだと思うのです。

カフェインを抑えた「余白とコーヒー」は、朝にも、仕事の合間にも、夜にも。まずは一杯、暮らしのなかで味わってみてください。